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Vol.241 免疫力5

湯 忠立先生

2018/11/14

「正気」における陰と陽について、もう少し詳しく見ていきましょう。
 
人体でいえば、基本的には一つひとつの臓器や器官といった物質的な存在を陰として、その働きを陽と考えます。「正気」が衰えている状態というのは、臓器や器官そのものに異常がある場合、或いは臓器や器官そのものは正常でもその働きが弱っている場合が考えられます。中国医学では前者を「陰虚」、後者を「陽虚」と呼んでいます。つまり「正気」の中でも何が衰えているのかを明確にしているのです。そして「陰虚」の場合は「補陰」、「陽虚」の場合は「補陽」といって、それぞれ不足しているものを補うことによって「正気」を正常な状態に戻す治療が施されます。
 
以上は皆さんが理解しやすいように最も基本的なことでお話ししましたが、実際には臓器や器官にも陰と陽が備わっていますし、その働き面にも陰陽があります。したがって「陰虚」、「陽虚」も更に複雑になるのですが、考え方の基本は変わりません。話が少し専門的になってしまいましたが、「免疫力を高める」ということは、陰陽の不足部分を補って「正気」を正常な状態にすることなのだということはご理解いただけたでしょうか。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。