これまでは中国医学の観点から免疫力について考えてきましたが、ここからは話を薬膳に絞って、如何にすれば免疫力を高めることができるかを見ていきましょう。
中医薬膳学では先ず第一に脾胃を調えることが大事だと述べられています。どんなに身体に良い食物でも、ただ口に入れるだけでは何の役にも立ちません。しっかり消化・吸収されて身体に取り込まれ、それが全身に行き渡って初めてその効能が発揮されるのです。その役割の中心を担っているのが脾胃の働きです。脾胃の活動が旺盛であれば必要な栄養分が全身に行き渡ります。しかしこの活動が衰えているときは、無理やり食べても折角の栄養分は必要としているところには届きません。そんなときは出来るだけ脾胃に負担がかからないように、お粥やあっさりしたスープを中心とした食事で調整する必要があります。これは脾胃の調子が悪い時だけでなく、普段から心掛けておかなければならないことです。何を食べるかという前に、どのように食べたら効率よく栄養分を活用できるか、そんな工夫が必要です。薬膳料理にスープやお粥、じっくり煮込んだものが多いのは、こうした配慮が基になっているからなのです。
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