あきゅらいず

Vol.185 「低カロリー」の錯覚

湯 忠立先生

2017/10/18

「カロリー控えめ」は、ダイエットをしたい人に限らず、健康を気にする人の合言葉になっていますが、個々の食材のカロリーだけを注意すれば、それで健康が維持できるということではありません。

カロリーというのはエネルギー、つまり私たちの活動の動力源になるものですから、これを抑えすぎるとエネルギー不足になり活動力が衰えてしまいます。体内の活動も同様で、エネルギー不足になると活動バランスが崩れてさまざまな症状を引き起こすことになってしまいます。大切なのはカロリーの多い少ないでなく、全体のバランスが取れているかという点にあります。私たちの身体が必要としている栄養分が満遍なく摂れているか、低カロリーを気にし過ぎて「栄養失調」になっていないか、このことがより重要なのです。カロリーを抑えるために、必要な栄養分まで少なくしてしまっては、何のために食事に気を使っているか分からなくなってしまいますね。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。