あきゅらいず

Vol.191 体内時計4

湯 忠立先生

2017/11/29

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生物が持つ体内時計は、一日のリズムを刻んでいるだけではありません。一年を通して、自然界は毎年同じリズムを繰り返しています。春になると草花が芽吹き、新緑の時季を経て、秋には紅葉が山々を飾ります。こうしたリズムに合わせて、それぞれの生き物たちは季節季節を過ごしています。冬になると冬眠する動物たちや、季節に合わせて羽の色が変わるライチョウなどは、その分かりやすい例でしょう。
 
私たち人間も、一年を通していつも同じというわけではありません。春夏秋冬、それぞれの季節に合わせた生活のリズムがあるのです。中国医学では、日の出や日の入りを目印にして、夏は朝早く起きて夜はゆっくり、逆に冬は夜早く寝て朝はゆっくり起きるのが養生に良いとしています。それでも私たちは、自分たち自身が作り出した時間という概念に基づいて、朝は6時に起きよう、夜は23時に寝よう、などと決めて、それを守るのが良いと考えてしまいます。
もっと身体の中の自然のリズムに耳を澄ませて、それに合わせる生活をするべきだと思います。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。