あきゅらいず

Vol.279 中医学と美肌1

湯 忠立先生

2019/08/ 7

多くの人は思春期になると顔面の吹き出物に悩まされます。この年頃はホルモン代謝のバランスが崩れやすく、その結果としてニキビなどがよく出るのです。一般的には思春期が過ぎホルモン代謝が安定してくると、この症状も自然に回復します。「若さの象徴」「青春のシンボル」といわれる所以ですね。
 
ところが思春期が過ぎ青春時代を通り越しても、顔のニキビが消えない人がいます。赤く腫れたり、化膿して跡が残ったり、シミができたりして、治療を施しても完治せず毎年春夏には再発して一生悩み続けるといったことがあります。皮膚病という範疇で語られるこうした症状の原因は多種多様ですが、中国医学では、体質や環境、生活習慣、そして食物など体内活動のバランスの維持に密接に関係するものが根本的に影響していると考えます。
皮膚は人体の一番外側にあって、内蔵や組織を保護しています。中国医学では「衛気」という気の護衛官が皮膚を巡って外部からの有害物質(邪気と呼ばれます)の侵入を防いでいると説明しています。そして皮膚は人体の一部でもあるので、肺や脾臓などの臓腑機能が正常に活動し、栄養分やエネルギーを充分に供給されてこそ、新陳代謝が活発になり皮膚呼吸も正常に行えるのです。
 
どうしたら美しい肌を保てるのか、中国医学の観点から考えてみていきましょう。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。