「病院で点滴に使われる生理食塩水と市販のスポーツドリンクは同じものだと聞きましたが、水分補給には水より効果があるのでしょうか?」
こんな質問をいただいたことがあります。
点滴液として一般的な生理食塩水と市販のスポーツドリンクの成分は体液と同程度の塩分を含み、ほとんど同じものです。
だからといって水分補給に、常に水より効果があるとはいえません。
激しい運動の後などで大量に塩分が不足している時には確かに有効ですが、普通の状況下で水代わりに飲み続けると、塩分を取りすぎることになってしまいます。
点滴の場合は数時間かけてゆっくり体液を補充していきますので問題ありませんが、飲む場合は一度に大量の塩分を摂取することになり、かえって内臓に負担をかけてしまうことになります。
点滴のスピードでポカリスエットを飲むことはありませんね。
体内の水分・塩分を補給するには、ゆっくりした点滴の速さが適しているということなんです。
喉の渇きを潤すことと、体内の水分を補充することは別のものと考えなければなりません。
水分補給は、あくまでも体内の水分を補充することが第一なのですから、ゆっくりと全身に行き渡らせてあげるようにするのが大事なのは、スポーツドリンクだけでなくすべてについていえることです。
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