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Vol.59 漢方薬が入ってない?

湯 忠立先生

2015/03/ 4

「この薬膳にはどんな漢方薬が入っているんですか?」よくこんな質問をいただきます。
「何の漢方薬も入っていませんよ。」とお答えすると、皆さんとても不思議そうな顔をされます。
 
『薬膳=漢方薬が入っているから体に良い』そんなイメージをお持ちの方が多いようですね。
でも、漢方薬が入っているから薬膳、というわけではないんです。

中国医学に基づく本来の薬膳は、一つひとつの食材の持つ性質を上手に使って、健康の維持・増進や、病気の予防・治療に役立つようにするものです。

漢方薬を加えなくても、食材の性質が充分に活かされ、何らかの形で私たちの健康にプラス効果があれば、それは立派な『薬膳』といえます。
食材の効能を十二分に発揮させるには、その食材の性質が分かっていなければなりませんね。

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中国医学では、何百年にも及ぶ臨床実践の経験の積み重ねから、一つひとつの食材の性質が記録されてきました。

それは、食材の成分を分析して、どの成分がどんな効能を持つか研究するという現代医学の方法とは違いますが、誰が食べても間違いなくこういう効果が現れるという事実から帰納されたものなので、理屈はわからなくても間違いのないもの、ということが出来るんです。
実践済み(~o~)!!!
 
食は私たちの活動の源ですから『必要な時、必要なものを食べる』というのが、
薬膳の本来の意味であり、それは漢方薬の有無には関係ないというわけです。

※記事の無断転用は禁じます。

この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。