人間の体全体を巡って気を循環させている「経絡」は、それぞれに独自の特徴がありますが、その一つ「足太陽膀胱経」は、この時季、最も注意しなければならないものです。
この経絡は、眼の内側から始まり、頭頂部を通って、背骨の両側を下ってから、更に足の裏側を通って踵、つま先までつながっています。
特に背骨の両側はマッサージなどでよく使われる部分で、風門、肺兪、心兪、肝兪、胆兪、脾兪、胃兪、三焦兪、腎兪、気海兪、大腸兪、関元兪など重要な経穴(ツボ)が続いています。
この経絡の大きな特徴は、外邪(外的な病気の原因)の侵入を防ぐ働きがあるということです。
この経絡が寒気に侵されると、呼吸器系の感染症にかかりやすくなります。
お年寄りや小さいお子さん、心臓など循環器系の病気や胃潰瘍の方は特に、この経絡を冷やさないようにしなければなりません。
立冬が過ぎたら、ベストを一枚増やすなどの対応で、背中を暖かくするよう心がけましょう。
※記事の無断転用は禁じます。