中国の年越しに欠かせないのが爆竹です。旧暦の正月にあたる「春節」には家々で爆竹を鳴らしてその激しい音と共に新旧の年を入れ替えます。
爆竹は中国の特産品で、「爆仗(bao-zhang)」「炮仗(pao-zhang)」「鞭炮(bian-pao)」とも呼ばれます。その起源は古く、2千年以上の歴史があります。節句の日に幸せをもたらすと考えられ、また威勢の良い爆竹を鳴らすことで喜びの気分を高める一種の娯楽として、次第に広範囲に使われるようになりました。品種や種類も増え、節句はもとより結婚、新築、開業などの際は、祝いの意味を込めて派手に爆竹を鳴らすようになりました。
ところが近年、こうした風物詩にも変化の様子が見られます。というのも、深刻な大気汚染の悪化に繋がるというので、爆竹に対する規制が強化されているのです。例えば上海では、市内への爆竹の持ち込みや保管が禁止され、購入の際は身分証の提示が必要とされています。こうした規制のため、花火や爆竹の販売量は年々減少しています。環境保護のためとはいえ、爆竹のない正月は何か寂しい気もします。
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