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Vol.217 納豆の話

湯 忠立先生

2018/05/30

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日本食ブームの影響でしょうか、最近は中国でも納豆を食べる人が増えてきています。納豆の原料となる大豆は「畑の肉」といわれるほど良質なタンパク質を含み、その他にもビタミン類やミネラル分が豊富な栄養豊かな食材です。しかし、そのままでは消化されにくいという欠点があります。ところが納豆は納豆菌の働きによって消化されやすくなり、大豆に含まれるタンパク質の90%以上を体内に吸収できます。さらに"ナットウキナーゼ"という酵素には、血液をサラサラにする作用があるので血栓の発生を防ぎ、動脈硬化や心筋梗塞を予防する効果があります。この他にも、癌や骨粗しょう症の予防、病原菌の発育を抑える抗菌作用などが認められています。もともと栄養価の高い大豆をさらにパワーアップさせたという感じですね。
 
中国にも「豆鼓(トウチ)」という似たような食材があります。こちらも大豆を発酵させて作るのですが、どちらかというと調味料という感じで、煮込みや炒めもの、蒸し料理などの風味づけに使われています。日本のスーパーでも豆鼓醤というペスト状の調味料を見かけますね。只、あくまでも調味料なので、たくさん食べることはありません。納豆ならば大豆そのものを主として食べるのですから、正に理想的な食材といえるのです。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。