あきゅらいず

Vol.240 免疫力4

湯 忠立先生

2018/11/ 7

今回は、免疫力を高めるにはどうしたら良いかを考えてみましょう。
 
前に中国医学では正気を強くすることが免疫力を高めることだと言いましたが、正気が私たちの身体や生命活動すべてのもとになっている以上、具体的には様々な形で現れます。内臓や骨、皮膚といった人体の一つひとつの構成要素、そしてそれぞれの生命活動の状態、これらをどう捉えるかというとき、中国哲学の陰陽思想を手掛かりにします。
 
陰陽思想では、自然界は全て陰と陽の組み合わせで構成されていると考えます。簡単な例を挙げると陰と陽は、一つのものの二つの側面ということもできます。あるものの外側を陽とすれば、内側が陰になります。外側だけ、或いは内側だけのものなど存在しないように、必ず全てのものは陰と陽を備えているのです。そして様々なものごとの発生・発展・変化は対立する陰と陽の相互作用によって生み出されるとしています。そして陰と陽は絶えず拮抗しながら動態的なバランスを保っているのです。

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「気」もまたすべて陰陽両面を備えています。そしてこの陰と陽が正常なバランスを保っているとき「正気」も力強く活動しているといえるのです。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。