美しき数学の世界~知らないことの中に面白さが隠れている!?~

市原

2014/05/ 3

「数学」という言葉を聞いて、どんなイメージを持ちますか?

「難しい…」「私にはちょっと」「学生時代一番苦手でした」
なんて、思う方も多いのではないでしょうか?
私もその一人でした。
文系科目好きで、根っからの文系と思い込んで過ごしてきました。
家族も姉妹も文系一家(だと思う)。

が、しかし
今では数学好きな一人です。

が、しかし
数学の難しい問題を解くのが好きというわけでも、得意なわけでもありません。
その「世界」が好きなのです。数学は美しいのです。

「算数」的数学のイメージだと、いきなり何のこと?な話かもしれません。
今回は真面目に数学の美しさについて語らせてください。

私の数学の世界との出会いは、
小川洋子さんの『博士の愛した数式』(新潮社/2003年)というベストセラーの本。
この本で数学の持つ世界へ誘われました。

そしてそこから枝分かれした本で、恋に落ちます(大げさ)。
タイトルは『世にも美しい数学入門』(筑摩書房/2005年)。
 

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こちらは数学者の藤原正彦さんと小川洋子さんの対談形式の共著です。
数学の世界に魅了されて小説まで書き上げた小川さんが、藤原さんとその世界を語らいます。

この本でのわたしのグッと(good)ポイント。
■「数学者の生まれたところには、必ず美しいものがある」
こちらは藤原さんの持論で、数学者の出身地をたどると必ず美しいものがあるそうです。(なんと興味深い。)
寺院などの美しい建造物、美しい風景などがそこにある。

気になる方はこちらをどうぞ。
http://goo.gl/ZXsG2H
美しい数学の世界へ、いざ!


数式には定理とその証明がありますが、
ある数学者が発見した定理が何十年、何百年の時を経て証明されることも歴史上、稀ではありません。

「フェルマーの最終定理」という超有名な定理は、
途方もない時間と数学者たちの人生を費やして証明されています。
発見者・フェルマーは定理を見つけたものの、
その証明を書き上げるには持ち合わせの紙の余白では狭すぎると、その証明を後世に書き残さなかったといいます。
 
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その後、無数の数学者がこの定理に立ち向かい、敗れていきます。
実に発見から300年以上の時間が経過した後にアンドリュー・ワイルズという数学者によって証明されたのです。


ある数学者が残した定理という地図をもとに、証明という航海に繰り出していく。
そこには数学者それぞれのロマンと人生があるのです。
う~ん、なんと美しい。
 
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数学も数学者も論理的で小難しくて、ほど遠い世界と思っていたけど、いや違う。
数学者は一生を定理の証明に捧げたり、衣食住も忘れるほどに一心不乱に研究に没頭したり
とても一途で純粋なのです。

だからこそ、数学者の生まれたところには必ず純粋無垢な美しいものがあり、
それが少なからず彼らに影響しているのでしょう。

数学の美しさを学生時代に知っていたら、
もっともっと数学の時間が楽しいものになっていただろうなと思います。

思いがけず出会った、数学の美しい世界。
理系に苦手意識があったものに対して、私も考えが変わりました。

まだまだ世界には、自分の知らない世界や気づいていないことであふれていそうです。
もしかしたら、苦手なものや偏見も、その本質や知らない世界を知ると見方がかわるのかもしれませんね。

この記事の投稿者

市原

プロジェクトマネジメントチーム

「きのね かっさ」がお気に入り☆/毎日おでかけ前に玉粉肌のナチュラルベージュ/音楽と映画と本が好きです。

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