「あれから8年!」みんなで奮闘してきた「香風(しゃんぷー)」の歴史が面白い《後編》

みやうち

2017/06/23

毎年夏に数量限定での販売を重ね、誕生から8年目を迎えた「香風(しゃんぷー)」の多難(笑)な歴史をひもとく座談会「あれから8年!『香風』の歴史に迫る」。
みなさま、《前編》はお読みいただけましたでしょうか?

まだお読みいただけてない方は、ぜひこちらをご覧ください。なぜネパールのよもぎとハッカなのか!?……「香風」のはじまりがわかります。
 

 

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座談会に集まってくれた4人は、、、
 
今井乃理子
初代・「香風」開発者、現・七転び八起き(あきゅらいずのグループ会社)スタッフ
内藤輝実
2代目・今井から「香風」を引継ぎ、苦労のすえ軌道に乗せた、現・商品チームリーダー
篠塚宏明
3代目・通称はかせ。あきゅらいずの製品開発担当。日夜黙々と処方開発にいそしむ。
市原朋子
通称とんちゃん。ヘアケアブランド「きのね」創設メンバー、現プロジェクトマネージャー
 
《後編》では、さらなる困難に出会うプロジェクトと「香風」の成長の物語を、笑いと一緒にお届けします。
 

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写真左手前から、市原、今井、内藤、篠塚の4人
 
◆「毎年同じ香りがいいんだったら合成香料を使ってください」
 
内藤 香りが極端に違っていたのは2014年だったっけ?
篠塚 そうですね。届いた精油の香りが、あまりにそれまでと違い過ぎて、これでは出せないっていうことになった。
市原 そんなに違ったんだ。
内藤 で、Kさん(現在もお世話になっている精油輸入会社の方)に来ていただいて、「どうしてこんなに違うんですか?」って訊いたときの一言が、全員納得の答えだった。「毎年同じ香りがいいんだったら合成香料を使ってください」って。
一同 かっこいいー!
市原 ですよねー、天然の精油ですからね。
今井 やっぱりステキな精油屋さんですね!話し出したら止まらないけど(笑)。
 
内藤 そのときの気候によって変わるからこそ、天然のエッセンシャルオイル。「毎年同じ香りを望むのであれば合成にしてください」、「いや、違うんです、使いたいのはこっち(天然の香り)なんです」っていう話し合いがあって、それで納得して作ることができた。
篠塚 けど、作ってみたら結局いい香りでしたよね。
内藤 だったねー。天然の香りって、抽出してから時間が経つと少し変化するんだけど、商品になって上がって来たら「これはこれで良い香りじゃないか!」っていう香りになってて、ほんとにハラハラしたけど結果は良好!無事に発売できたんだよね。
篠塚 ……とはいえ、それでは品質を担保できません。
内藤 そう、私たち商品チームは品質を管理しなければならない!さすがに、こんなに違うのは怖いねっていうことで、2015年からは、その年の精油のサンプルを前もってもらうようにした。万が一なにかあっても発注前に手を打てる!……で、その2015年も、いい香りだったよねー。
 

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どんな状況でも沈着冷静、”はかせ”こと篠塚
 
◆毎年販売を重ねて、2015年、震災直後のネパールへ
 
市原 で、その2015年は〈ふんわり〉と〈しっとり〉の2タイプに!
内藤 それと、とんちゃんと私とで一緒にネパールに行ったよね。
市原 2015年の4月にネパールで地震が起こって、夏に「香風(しゃんぷー)」の〈しっとり〉と〈ふんわり〉が発売されて、ネパールに行ったのは11月。現地の精油メーカーさんと会ったんです。
今井 え!会ったんですか?
内藤 現地のメーカーさんと、工場で抽出してくれてる人たちに会ったの。
市原 そのとき、経済封鎖があってネパール国内は石油不足。ガソリンスタンドの前に何百メートルも車が並んで、いつ届くかわからないガソリンを待っているような中を、車で片道6時間もかかる山奥まで連れてってくれたんです。
内藤 車ですごい揺られながら、ぜんぜん歩いていないのに万歩計が20,000歩ぐらい動いてるような道を(笑)。
 
市原 今井さんも行った場所ですよね?今井さんはどうやって行ったんだろうと思って。
今井 わたしが行ったときは、土砂崩れしていて、歩いて行きました!
市原 えっ!(驚)どこから歩いたんですか?歩ける距離じゃないですよね?
今井 大雨が降って、土砂崩れで車が進めなくて、途中から、3〜4時間は歩きました。
市原 このへん?(写真を今井に見せる)
今井 あ、見たことのある風景!この右側の人!会いました。精油を抽出しているお兄さんですよね?
市原 そうです!途中から車に乗り込んで来ました。で、社長さんがすごくいい人で。
今井 途中から歩きましたか?
内藤 最後まで車で行ったよ。車の窓から下を見たらもう道路がなくて、深〜い崖の底、すれ違うときは5センチもないぞ!みたいな道を、猛スピードで(笑)。
今井 (写真を見ながら)5年たっても、なんにも変わってないんですね。
内藤 変わってないよね。懐かし〜い!なんか、食べてる写真しかないんですけど。
今井 そうそう、わたし、このお店でお茶飲みました!
市原 わたし達は、ここでご飯食べたんです。社長さんがご馳走してくれて。
 

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5年越しの共通の話題に花が咲きます。
 
市原と内藤の2015年ネパール体験記はこちら>>
 
そして、2010年に単身ネパールに渡ったときの今井は……

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おデコでカゴを背負って「よもぎ摘み体験」したり、険しい山道を歩いたり。
 
◆〈しっとり〉と〈ふんわり〉の理由
 
今井 なんで〈しっとり〉と〈ふんわり〉の2種類になったんですか?
篠塚 最初は「香風(しゃんぷー)」の香り無しを作ろうっていう話だったんです。「たまりシャンプー(『きのねシャンプー/しっとり』の前身)」と「香風」で洗い上がりが違うから、通年でふたつのタイプがあったらいいなって。
内藤 それぞれ、合う髪質が違う。私は「たまりシャンプー」だとしっとりし過ぎて髪の毛が寝てしまう。「香風」だとふんわりボリューム感が出るから、1年中「香風」を使いたい。一方で、「香風」だとふんわり過ぎて髪がまとまらないから「たまりシャンプー」がいいっていう人もいるわけで。
篠塚 で、その「香風」の香り無し(後の「きのねシャンプー/ふんわり)が完成した頃に「香風」を作り始める時期が来て、だったら「香風」も〈しっとり〉と〈ふんわり〉両方あっていいんじゃないかと。
今井 じつは、1年目の「香風」は「夏用」っていう意識が強くて、今のものよりもっとサッパリする配合だったんです。香りは好評だったんだけど、髪が乾燥しがちっていうお声が多かった。
篠塚 そんなわけで、ふんわり派にもしっとり派にも、両方の方に「香風」をお選びいただけるように、「たまりシャンプー」に香りを入れて「香風」〈しっとり〉を作ったんです。
 
今井 〈しっとり〉が、ちょっと白濁してるのは?
内藤 これ、濁ってるわけじゃないんだ。〈しっとり〉は「たまりシャンプー」に精油を加えたわけだけど、もともと精油を入れる前提の配合ではない。でも精油を溶かし込むために余分な添加物を入れたくない。それで、精油を均一に分散させる方法を採った結果、白濁しているように見えるの。

 

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めまぐるしかった2015年を語る市原
 
◆ヘアケアブランド「きのね」に至る
 
市原 2015年の夏に「香風(しゃんぷー)」の〈しっとり〉と〈ふんわり〉が出て、その中で「きのね(あきゅらいずのヘアケアブランド)」の設立準備が進んで、「きのね」のスタートが10月。ネパールに行ったのはその直後の11月。
内藤 慌ただしかったけど、いろいろな経験ができた1年だったね。
市原 ぐるっと回って2016年の夏に「きのね」から「香風」が出たときに、「美しい髪は頭皮から」っていう「きのね」のコンセプトも加わって、よもぎとハッカの香りが入ったヘッドエッセンスも仲間入りしました。
内藤 これが好評!
市原 はい!なので、今年も販売してます!「香風」はシャンプーだけじゃなくなって、ヘッドエッセンスと合わせて、すっきり気持ちよく夏のヘアケアをしてただける「香風シリーズ」になったんです。

 

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「きのね ヘッドエッセンス/よもぎとハッカの香り」今年も販売中!
 
内藤 そして、ネパールとの繋がりが一段と深くなって、この年から、「香風」の売上の一部を ADRA Japan(国際協力NGOアドラ・ジャパン)さんを通して復興支援のために寄付するようになった。
 
 
今井 「香風」は、2011年の東北の震災のときも売上の一部を寄付しましたよね。
 
内藤 もう8年目かー。
今井 「ありがとうございます!」ですよ、もう、ここまでお客様に支えていただいて、本当に感謝です。最近の香りの評判はどうですか?
市原 評判いいですよ。この時期になると「まだ出ないんですか?」って、毎年必ずお待ちくださっているお客様がいらっしゃいます。
今井 嬉しいなー(しみじみ)。
 
内藤 Kさんや現地の生産者さんもだけど、「香風」のご縁でADRA Japanさんとも繋がりができて、震災へのきちんとした支援もできた。8年間いろいろなことがありながら、ちゃんとご縁をつなぐ商品であることは間違いないよね。
市原 ネパールと繋がりができて、ネパールで震災があって、ネパールへ行ったから、どんな国なのかもわかって。今、ネパールは大変な状況で世界でも最貧国って言われている。でも、みんな本当にあたたかくて、穏やかに暮らしていて、それを、いろいろな団体が国を越えて助け合っている。それと「ここのハッカを使ったら、この人たちが潤う」って考えてネパールのハッカを選んだことも、すごく繋がっていると思う。
今井 「お金のない貧しい国」っていう見方もあるようですけど、ネパールには本当にステキないいものがたくさんあるではないですか!それをちゃんと尊重して、ちゃんと活用させてもらって、「ありがとう」っていう、ちゃんとした対価としてお支払いできるのは嬉しいですよね。
内藤 そういう意味では、毎年いろいろあって大変だけど、すごく意味のある商品になっていると思うな。

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§  §  §
 
商品には物語があって、その物語が人をつなぎ、作った人から使う人まで、さまざまな人々をつないで行きます。お互いに尊重し合いながら「ありがとう」の気持がつながっていく商品。「香風(しゃんぷー)」の歴史をひもとく座談会は、「面白い裏ばなし」というだけではなく、そんな商品の大切さを再認識する機会にもなりました。
 
〈おわり〉

 

☆「香風(しゃんぷー)」販売中!☆

詳しくはこちらからご覧いただけます。

 

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<ネパール大震災からの復興支援にご協力ください>

精油の生産地ネパールは、2015年4月25日に発生した大地震からの復興の途上にあります。

「香風」の香りのふるさとであるネパールの震災復興と発展のため、昨年に引き続き今年も売上の一部を寄付させていただきます。

 

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この記事の投稿者

みやうち

mima

洗顔〜アフターシェーブの「優すくらぶ」が、やみつき。

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